2014年8月26日火曜日

エグゾーストキャノンMk.16 #1 ARREV動作原理

お久しぶりです、yasuです。

前回のMk.14から4ヶ月ほど空いてしまいましたね…

この4ヶ月であったことというと、ここで書くこととしてはアリエナイ理科イベント(大阪)に行ってきたことでしょうか。
それについては気が向いたら記事を起こそうと思います。


さて、工作の方はと言いますと、ついに新型機であるMk.16の製作に着手します。
今日から本格的な製作がスタートするので、久々に製作記ということで更新していこうと思います。
今日は初回ということで原理的な部分について軽く書こうと思います。

動作原理

以前のMk.14で着想した側面排気機構ですが、あれをさらに改良し、セミオートマチックに対応させたのがMk.16の基礎となる機構です。以下にその概念図を示します。

ARREVAutomatic Recovery Radial Exhaust Valve

日本語にすると「自動復帰ラジアル排気バルブ:ARREV」と言ったところでしょうか。
左図に示すように前回のMk.14の構造とやや似ています。

特徴としては、一つのバルブを制御するだけのセミオートマチック動作と、軽量ピストンによる極めて高速での排気が挙げられます。

Mk.14のバルブと同様に、ARREVをエグゾーストキャノンの一段目に採用することにより、従来はエアカプラをリリースしたり、AEVを用いたりしていた排気操作を極めて高速化することが可能です。

次に左図を解説していきます。

1.ピストン前進
コンプレッサに接続されるポートは左右2つ有り、右はタンクへエアーを供給するメインのポート、左はピストンを前進させるためのポートでスピコンで流量を絞ってあります。
バルブを閉じた状態ではこの左のポートよりエアーが流入することでピストンに右向きの駆動力が発生します。
右のポートはOリングでシールされたままです。

2.吸気
ピストンが右へ前進し停止した地点で左のポートがピストン内部に設けられた流路と接続され、内部の流路を通ってタンク側へ流入していきます。
同時にタンクと大気はシーリングされた状態になります。

3.排気トリガ
排気のトリガとしてバルブを開きます。バルブを開くことでピストン左部空間の圧力が下がり、ピストンには左向きの駆動力が発生します。
ここで、コンプレッサからの流入流量がバルブからの排気流量と比較して大きいと、ピストン左部空間の圧を下げる妨げとなってしまいます。そのため1.で述べたように、左のポートをスピコン等で絞ることで最適な流量に設定する必要があります。

4.排気
ピストンは左向きの駆動力により左端へ急速に駆動されます。移動しきった所でタンク内のエアーは排気ポートより大気へ急速に排気されます。
移動の際、コンプレッサのポートが閉じられた後、タンクのエアーが開放されるというのもメリットです。


以上がARREVの動作原理です。冒頭でも述べたとおり、内部のピストンはポリアセタール樹脂等を用いて製作することでかなりの軽量化が可能です。AEVはなかなかの排気速度を有する機構でしたがデメリットとしてピストンユニットとして一体化されているため重量がかなりあるというものが有りました。今回はそれをはるかに上回る速度での排気が可能と思われます。

あとあと分かったことですが、高速空気力学の研究で用いられている無隔膜衝撃波管にも2段式のものが有り、その1段目の構造が今回のARREVとよく似ていました。


この機構の動作実証も兼ねてMk.16の設計を進めていきます。
とはいえすでに製作はスタートしているのでそれはまた次の記事で紹介します…

それでは。