2013年3月27日水曜日

フェーズシフタ

はたまたこんばんわ、Lokiです。
次記事書くときはテスラ専用のディップメータ製作に関して書こうかと思っていたのですが、発振回路調べてたら正帰還かけないと発振しないよなーってなってそのためには移相するんだよなーって調べてたら面白くなってきたのでちょっとまとめます。

フェーズシフタ 

フェーズシフタというのは位相を任意の角度だけずらすこと(移相)が可能な回路です。単純にLPFなんかでもフェーズシフタになりえますがゲインが一定でありませんので、オールパスフィルタを利用します。これはその名のとおり全帯域でゲインが一定となるフィルターです。当然フィルターなので周波数に応じて位相特性は変化します。つまるところこれを何に使うのかというとテスラコイルのフィードバック信号の位相調整です。前に書いた記事では特に触れなかったのですが正帰還になっていないと発振しないと思われます。(位相が90度とか進んでたり遅れてたりするとたぶん動かない。というか信号が減衰する)したがって、フェーズシフトを設けることによって位相をしっかり合わせます。結果、発振するようになってきます。

以前はPLL設ければ解決できるんじゃないかとかピーク電流監視して他励で常に電流が増え続けるように周波数いじればいいじゃんとか思っていましたが、自分の中ではこれが一番しっくりきています。(強引じゃない感じが好きです)
まあ、方針が一応定まったという感じです。では

2013年3月25日月曜日

ゲートドライブ回路

こんにちは、と言うかお久しぶりです。Lokiです。
半年以上も前に、テスラコイルの実験し次第記事書くとか言いながら全然書いてなかったので、少々書こうと思います。いえ、実験の記事を書くのではなく回路の設計に関して書きます。

ゲートドライブ回路

パワーエレクトロニクスに於いてパワー素子のゲートを駆動する回路はとても重要です。ゲートをいかに速くon-offできるかで回路の性能が決まってきます。IGBTのゲートはMOSFETのゲートと等価と考えることができるので、ここではMOSFETに還元して考察していきたいと思います。
MOSFETのゲートは容量性負荷であり、ゲートを駆動するという事は数pF程度のキャパシタンスの電荷を高速で充放電することに変わりありません。そこで利用されるのが大電流の吐き出し・吸出しができる回路です。大電流と言っても数A程度です。
テスラコイルではブリッジ回路のハイサイドを制御するのにパルストランスを利用している人が多いですので、パルストランスを利用した駆動回路を見ていきます。ただし、制御回路とゲートドライブ回路は絶縁する必要があるのであえてパルストランスを使う必要があるのかあまりわかりませんが....ゲートドライブ回路の保護という目的では有効かも知れません。

普通ゲートの手前には抵抗を入れます。これはゲートの寄生容量による発振などを防ぐ目的でつけられます。on時間に関してはこの抵抗による変化はほとんどありませんが、off時間に関しては抵抗0Ωのときと比べてかなりずれ下がってしまいます。そこでoff時における抵抗部分のインピーダンスを下げる目的でダイオードやPNPトランジスタなどを用います。そうすることでMOSFETの高速スイッチングを実現します。

このほかに、フォトカプラを利用して絶縁することもできますがこれだとゲートの数だけ別電源を用意する必要が出てきます。ただこの別電源の数はブートストラップ回路などを利用することで減らすことは可能なので、そんなに複雑な回路を組む必要性はなくなるでしょう。(ハイサイドを駆動できるゲートドライブICは利用していたりする)


ここで言ったようなゲートドライブ回路は、N-channelタイプのMOSFETを複数利用したブリッジ回路において有効です。プッシュプルで組むのであればもう少しきれいな回路を組むことが可能だと思われます。
なんだか、言っていることゴチャゴチャになりましたがこの記事は自分の頭を整理するためのメモみたいなものなので参考程度にしてもらえたら幸いです。では

2013年3月24日日曜日

自作カメラスライダー

こんばんは、yasuです。

Mk.11の紹介動画を作成するに辺り、前々から作りたいと思っていた
カメラスライダーを自作したので紹介しようと思います。
Mk.11の記事に関しては…ごめんなさい…

カメラスライダーとは

さてカメラスライダーとは、その名の通り、カメラを平行、あるいは垂直にスライドさせるための装置です。

装置の構造としては、レールの上で雲台を固定したステージを走らせるという単純なものです。

カメラスライダーを用いて撮影された映像はどれも手持ちで撮ったそれとは一味も二味も違います、が市販品を買うと、やはり映像業界なので一台数万円します。
そのわりに構造が単純なので自作する人は非常に多いです。
youtube等で「Camera slider」あるいは「Dolly」と調べてみると非常に沢山の作例が出てきます。

制作


Illustratorで設計をします。
最初の計画だと、アルミ材で作ろと考えていたのですが、時間があまりないので、加工接合が容易なMDFで作ることにしました。


予めカットの図面を引いておきます。
加工は精度を出すために、ホームセンターのパネルソーを使いまいした。


カットされた部材です。


Illustratorで作図したものを印刷して張りつけ、そのうえからポンチを打つと簡単です。


ステンレスパイプを通すための穴です。ここは今回は簡易版なので、固定方法は圧入としました。


つぎは車輪となるボールベアリングを固定するための軸を通す穴です。同じように印刷した図面を貼ってポンチを打ちます。


φ3の軟鉄とプラスチックのスペーサーでベアリングを保持します。


これを2つ作って車輪部パーツが完成です。


次に雲台にスライダーを固定する部分です。この部分は強度が必要なので、アルミで作成します。M6のボルトで四ヶ所を固定します。
ちなみにカメラ用品の固定ネジはすべて1/4インチのネジです。このタップを持っておくと、カメラ用品のDIYができるようになるので便利です。(逆に持ってないと始まらない)


最後に雲台をステージに1/4ネジで固定し、このステージを先ほどの車輪部パーツに固定します。

完成



完成です。見た目は割りとしっかりしてます。


三脚に固定するとこのようになります。

作例映像


では製作過程と、スライダーを用いて撮影した動画をまとめたので、是非最高画質で最大化して御覧ください。


このように独特の雰囲気の映像が撮れるようになります。

ただ今回、非常に多くの問題点が後に明らかになりました。
そもそも、三脚一本ではカメラが両端に来た時のモーメントに対応できず、スライダーが傾いてしまうことが一番の致命傷です。
やはりここは三脚を両端に一台ずつ配置するしかなさそうです。

またステージが大きいため、ステージ上の雲台を上に向けようとすると、ハンドルとステージが鑑賞して上に向けることができないという問題もありました。

これらの問題点を改善したMk.2を時間ができたら作り直したいですね。
それでは…

2013年3月23日土曜日

ノズル周り雑記

こんばんは、yasuです。

前回Mk.11について記事を書くとの予定でしたが、本日、東北大学の流体科学研究所で研究室公開があり、その際にキャノンのノズル周りに関していろいろ質問をしてきたので、それを個人用にまとめておきます。

とりあえずエグゾーストキャノンにおいて、衝撃波を発生させるためには、まず銃口部ピストンから長いパイプを伸ばし、それを助走区間として圧力波面を整えることが必要である。
流体研でも衝撃波管を用いた実験で、1MPa以下での試験で衝撃波は観測されているそうですが、その時の条件はQEVからパイプを4~5m伸ばしたものになっており(というかそれも含めて衝撃波管)その開口部では衝撃波が観測されるとのこと。
またその場合、その条件ではノズル付近で渦輪も発生しているとのこと。
聴いてみたところ、その研究室では過去に学生による研究でちょうど衝撃波管を用いた渦輪の研究がなされていたようです。残念ながら論文としての公開はなされていないようですが…



この動画ではQEVを用いたキャノンの先端にダイバージェントノズルを取り付け、渦輪を発生させることに成功していますが、ここにおいてこのノズルがダイバージェントノズルである必要は無く、むしろ超音速領域ではないために、空気の流速を低下させ
むしろデメリットであるとの見解をいただきました。

とにかく最初に重要なのは長いパイプとのこと…
大切なのはノズル全体の形状ではなく、とくに先端部分であるともおっしゃられていました。このパイプ外側の形状を工夫することで渦輪のできやすさを変化させることができるかもということらしいです。

ひとまず現状のMk.11には拡張ノズルを取り付けられるようなネジが切ってあるので、そこに取り付けるための延長パイプを買ってくる必要がありそうですね。

2013年3月20日水曜日

エグゾーストキャノンにおけるセミオート化

こんばんは、yasuです。
今日は大学のほうで研究室公開とがありまして、第一志望のところを覗いてきました。
どうもそこまで人気があるわけではないらしく…
なんとかそこで通ってくれればいいのですが…

さて、本日は先日予告していたMk.11の動作原理について説明しようと思い記事を書いていたのですが、どうもその前部分であるセミオート化でかなりの文量がありそうなので、独立させて書くことにしました。
期待していた方、申し訳ありません…

エグゾーストキャノンのセミオート化

Mk.11の主たる特徴はこれです。従来のキャノンはエアカプラをピストン駆動のトリガーとしていましたが、それでは射撃時にキャノンを片手で支えることになり、Coolではありません。また連射もできませんので、セミオート化はエグゾーストキャノンにおける一つの大きな目標でした。何よりかっこいいですからね。

エグゾーストキャノンをセミオート化するには複数の機構があり、今回はそれらについてまとめておこうと思います。
ただ今回ここにまとめたものが全てではなく、まだまだ考えれば考える程新しい機構は作れるとおもうので、各々より最適なバルブを考えてみるのも楽しいです。

では紹介に移ります。

1.簡易式(エアー流しっぱなし)

去年のブログの記事で簡易型セミオートキャノンがあったと思います。


これはおそらく考えられる中で最も簡単な仕組みで実現できるセミオートキャノンだと思われます。
ブログのコメントの方に動作原理について質問を頂いたの図解で解説します。
今までエアカプラを接続していた部分の途中にエアダスターを挟むことで排気ポートとします。ここから空気を抜くと、ピストン後部の空間の圧力が下がりピストン左右での圧力バランスが崩れピストンに駆動力が発生します、後は通常のキャノンの動作と同じです。
ただ問題としてエアーは常にコンプレッサーより流入しているので、その分ピストンは常に抵抗を受けることになり、通常のエアカプラ方式よりも威力は落ちます。
ただ旋盤を利用せず、規格部品のみで構成できるというメリットもあるので十分意味のあるものだとは思います。

2.Directional Control Valve(流路選択弁?)式
これもまず動画を見たほうが早いです。
海外の方の作例ですが、非常によくまとまっています。
方式としてはこれも1の方式と同じく、従来のエアカプラ部分を置き換える手法です。
1.で問題となったのは、射撃時にもコンプレッサーからエアーが常に流入してくることです。これを解決するのがDCV(Directional Control Valve)です。

構造は以下のようになっています。
以前紹介したバランスバルブと構造が似ていますが、ピストンの配置とポートの位置が異なっています。ではエアーを送り込んだ時の動作を見ていきます。 
 最初の状態では当然このように、エアーはコンプレッサーからこのバルブを経由してキャノンへと流れていきます。またバランスバルブと同様、右2つのピストンにかかる力は釣り合い、圧力で動くことはありません。
 次にこのピストンを右に押し込みます。すると中央のピストンがコンプレッサーに至るポートを越え、今度は左端と中央のピストンによってシールされます。この状態ではエアーはどこにも流れません。
さらにピストンを右に押し込むとこのように、キャノン側のポートが開放され、キャノン内部のピストンを駆動することができます。
またこの時、依然としてコンプレッサー側のポートはシールされているので、余計なエアーがキャノン側に流入することはありません。

押しこむ前後で流路が、
コンプレッサー→キャノン
だったものが、
コンプレッサー→シール
キャノン→リーク
と変更されていて、Directional Control Valveといわれる所以がわかるかと思います。
このポートの数や位置を変更すると、さらに複雑な流路の変更が可能になります。
空気圧回路とか油圧回路とかそういう領域だと思います。

そこまで複雑なものは調べていないのですが、思いつく範囲だと、たとえばキャノン側からピストン駆動のトリガーのために大気に捨てていたエアーを、流路変更先で別の仕事に利用して、さながらブローバックっぽい動作が可能になるかもしれませんね。

3.スライドバルブ式
これも同じく製作者の動画を貼っておきます。


動画を見ただけでは構造はわかりませんが、この作者さんが立てたスレッドを見ると詳しく構造が解説されています。
http://www.spudfiles.com/forums/semi-auto-t160.html
バルブのすべての構造が同軸対称になっています。
なかなかよく考えたな…というかこんなのよく作ったな…という感じで素直に感心しました。
実際に制作するとなると、パイプ内径のOリングの溝掘り加工が必要になるので非常に難しそうです。構造をちょっと変えると外形の切削だけでもできそうなきもしますが…


本題のMk.11のセミオート機構にまだ入っていませんが、すでに朝になってしまったので今回はここまでとさせてもらいます…すみません。
次回こそMk.11の機構について書きたいいと思っております。
それでは…

2013年3月19日火曜日

エグゾーストキャノンMk.11.1初回起動実験

こんばんは、yasuです。
やたらと調子に乗ったタイトルですが、前回の記事の後、しっかり空圧関連部品を完成させ、すべてを組み付けての動作試験を行なってきたので報告させてもらおうと思います。

細かい部品の説明等はまた後の記事にしっかり書くつもりなので、今回は動画のみの公開とさせてもらいます。

とりあえず動画です。


タイトルでMk.11.1とありますが、去年の5月に一度動作試験はしているのですが、その後内部部品をほぼ全て入れ替えたのでMk.11.1としてみました。

今回の実験は初回なので、圧力は最大0.2MPaで行いました。
従来のキャノンと比較して、低い気圧でも高い威力を実現できています。
すべての動的シールにOリングを採用し、シリンダーとの摩擦を極力減らしたことと、そもそもの機構が従来のものとは異なる高性能なものを採用しているなど、様々な改良点がその要因だと思われます。

ただこの実験で、ピストンのシリンダ尾栓との衝突が想像以上に激しく、圧力を高くして数百ショットを越えて行くと破損につながる可能性があるということがわかりました。

従来のピストンを停止させるストッパーはこの部品でした。
三つ葉マークの形をした鉄製の部品が中央に取り付けられています。
これが尾栓と衝突することで高速で後退してきたピストンを受け止めます。
0.2MPaで50回ほどショットを行った後の尾栓の様子です。
このようにストッパーとの衝突で傷がついているのがわかります。
なので改良として、より信頼性のある部品を使い、かつ衝撃を吸収するゴム板を組み込むことにしました。
 ストッパーには大学のゴミ捨て場に廃棄されていた謎の金属部品をそのまま流用することにしました。実はこの部品を軽量化のために切断したものが最初についていたストッパーなのですが、結局切断前の状態で使うことにしました。
 加えて、衝撃吸収用のゴム板です。外形はサークルカッターで切断すれば良いのですが、内径は系が小さくなるとそうも行きません。この時は写真のように半円状の彫刻刀を利用すると綺麗に穴あけができるのでオススメです。

上2つのパーツとネジやスプリングワッシャでメインピストンに取り付けました。

横から見るとこのようになっています。これなら高圧条件の数百ショットにも耐えてくれるでしょう。
ゴム板は交換式になるかもしれませんが…

では次回は今度こそMk.11の概要を説明しようと思います。
それでは今日はこのへんで…

2013年3月14日木曜日

バランスバルブの制作

こんばんはyasuです。

今回はMk.11のトリガー部分に当たるバランスバルブの制作を行いました。

キャノンに用いるバルブの要件

Mk.11の動作機構は、従来のそれがエアカプラのリリースで行なっていたのに対し、別途バルブが必要になります。
そのバルブに求められる要件は、
流量が大きい
バルブ開放までに要する時間が短い(dv/dtとはまた違う)
この2つです。

この流量に関しては、例えばボールバルブやバタフライバルブなどが有利です。
例としてボールバルブ

しかし一方でこれらの開放までに要する時間は長く、かつ抵抗が大きいです。海外の自作エアキャノン動画ではこれらの弁を使っている人もいますが、できるだけ早くコックをひねることに執着していて正直見てて残念な気持ちになります…

さて次に開放速度が大きいバルブとしては、市販のエアーガン等があります。
ア理工の登場で一躍有名となったこの形状のエアーガン(ちなみにここで買えます。)

しかしこれらは流量が非常に少ないので、押し込んだ後、メインピストン稼働までにラグが生じてしまいます。


以前紹介したこの動画では、上の写真のエアーガンを利用していますが、押し込んだ後、若干の排気音の後、メインピストンが稼働しているのがわかります。
これでは瞬発力が足りず、要はかっこ悪いので、更に高速大流量なバルブを用意する必要があります。

電磁弁もこの要件を満たしてはいますが、電気の力を使ってしまっては意味がありません。
それだったら初めからキャノンの機構なんて使わずに、電磁弁でタンクのエアーを開放してやればいいのですから…
機械的な動作のみでそれらを実現するのがロマンなのです。

今回採用するバランスバルブについて

前置きが長くなってしまいましたが、今回採用するのはバランスバルブと呼ばれるバルブです。無圧バルブとも呼ばれているようです。また海外ではQDV(quick dump valve)とも呼ばれており、こちらで検索したほうが情報は多く集まります。
開放が高速で大流量、かつ開放に抵抗がほぼ無いという素晴らしい利点を備えています。
それゆえエアガン界隈では違法カスタムの手段として有名らしいです( 詳しいことはしらない)
YoutubeでQDVと調べると自作エアガンの動画が大量に出てきます。

さてこの動作原理は以下のようになっています。
まず内部はこのようになっています。
シリンダーの中にOリングを使ったピストンが2つ収められており、そのピストンの間から高圧側へつながるラインが伸びています。

高圧のエアが流入してきた時の様子です。
2つのピストンの直径は同一であるため、圧力が釣り合いピストンは動くこと無くシールします。この辺りがバランスバルブとよばれる所以です。

このピストンを右へ押し込むと上のイラストのように右端が開放され、高圧のエアが一気に大気中へ開放されます。以上が動作原理です。

たとえばエアダスター等の弁だと、高圧にしたり、流路の断面積を大きくすると、弁に掛かる圧力が大きくなってしまい、指の力では押し込めなくなってしまうため、ある一定以上、流量を大きくすることができません。
例としてあのエアダスターの内部構造を示します。
このエアダスターの内部機構を図示したのはこのblogだけなんじゃないかと思います…
このような感じで内部に弁が入ってます。
何処かにスプリングが入っているはずですが、描き忘れました…
イラストから分かる通り、内圧と弁の断面積に応じた圧力が弁にかかっています。
(中学生で習うF=PAですね)
この点でバランスバルブは、どんなに圧力を高く、ピストン直径を大きくしても、弁の動作に必要な力はほぼ皆無で変化しないのが利点なのです。

設計

今回作成するバランスバルブの設計図のようなものです。相変わらずIllustratorで設計しています。
製図法にまったく準拠していないのでご了承ください…個人レベルのDIYなのでわかればいいです。
内部にスプリングを納めてあるので、銃のトリガー部分として作用します。

制作

φ20の真鍮パイプを切断します。パイプといっても厚みが3mmある頑丈なパイプです。

切断したパイプに割り出し機とハイトゲージを用いてケガキをしておきます。
工作室があるとこのへんの高価で高精度な工具が使えるのがありがたいところです。
 ボール盤で1/8の管用ネジの下穴を開けます。
スコヤを当てながらタップ立てをします。
管用ネジの場合、タップの直径が大きいため、スコヤを使わないと直角を出すことは非常に難しいというか、そもそも目分量でやること自体が失敗な気がします…

 図面に沿って弓のこで切断です。切断した後ヤスリで目的の形状へ持っていきます。
これでシリンダーは完成です。
 丸棒からピストンを削り出します。突切りバイトでOリングをはめる溝をつくります。
これを2つと、シリンダーの両端を塞ぐ部品も同時に作っておきます。
 センタポンチを打ちます。ばね式のオートポンチを使っているのですが、これは必携です…捗りますよ!

完成

そんなこんなで完成です。

 ピストンを押し込むと、このように片方のピストンがシリンダーから飛び出し、エアーが開放されます。手を離すと組み込んだバネにより元の位置に戻ります。

部品構成はこんな感じです。

また今回流量増大のため、1/8ニップルの内径を拡張しました。(左のもの)
写真の右は以前作成したバランスバルブに使っていたニップルで未加工のものです。
バルブの流路の中でこの部分が最も断面積が小さいので、ここの拡張は性能向上に効いてきそうです。


さて、これでMk.11における空圧関係の部品はすべて完成したことになります。
後日、これらを組んでみて、最小構成での動作試験を行なってみたいと思います。
それと合わせてMk.11の動作原理も説明するつもりなので乞うご期待です。

その後は一番設計で詰まっているトリガーやグリップ周りですかね…
旋盤や割り出し機等で作れる部品はいいのですが、銃のトリガーやグリップのような、非対称で、人の手の形を考慮したり、そういう部品を考えるのはむずかしいです…

では今日はこのへんで!



2013年3月10日日曜日

ピストン接続部品

こんにちは、yasuです。

先日はエアチャンバー内で駆動するメインピストンと、セミオートの動作を作り出す後部シリンダ内で駆動するピストンを接続する部品を作成しました。

適当に設計とは名ばかりの、Illustrator上での構想です。

冒頭ではピストン同士を接続する部品と述べましたが、上のイラストで分かる通り、この部品自体も非常に重要なピストンです。
今回のMk.11ではすべてのエアのシールはOリングを用いて行なっており、そのうち静的シールが3箇所、動的シールが6箇所と今まで制作してきたものの中で最も多いです。
詳しくはまた後ほど、このMk.11の動作原理を説明する記事の中で説明しようと思っております。

さて、では加工へ移っていきます。
ある程度の強度が求められるのでPOMではなく真鍮を使います。
旋盤を用いて加工していきます。

 切断ラインに突切りをしておきました。
 これで弓のこで切断しやすくなります。
 切り落としたら予めネジを切っておいたところに全ねじを取り付け、再び旋盤にチャックして端面だしを行います。
 ペアとなる部品が完成しました。凹凸をつけたので中心軸でピッタリ固定できます。
 こんな感じです。次はこれらを固定するボルトを通すための加工を行います

M3のねじ切りの最中です。これを2つのペアにほどこして完成です。

すべての部品が完成しました。真鍮はいい輝きを放ちますね。

 実際にメインピストンに組み上げるとこうなります。Oリングを取り付けてピストンとして作用します。
しかしまだエアをかけての試験をおこなっていないので、まだなんとも言えませんが…
 もうひとつの部品を後部シリンダピストンに取り付けた様子です。
 これら2つをM3のキャップボルトで固定します。かっこ良く決まりましたが、金色が眩すぎるため、バーナーで焼いて黒く参加させたほうが味が出てよくなるかもしれません。

短い全ねじにMk.11のメインピストンの部品、そして後部ピストンの部品をすべて組み付けるとこのようになります。
先頭から、銃口をシールするピストン、キャノンのバルブを動かすメインピストン、そして今回制作した、Mk.11特有のピストン(動作に関してはまた別の記事で)、セミオートを実現するためのピストン2つといった構成になっています。

後部2つのピストンの精度が今ひとつなので、これらを新たに作りなおせば、キャノン内部に収まるピストン類はすべて完成となります。

残る作業はトリガーとなるバランスバルブの制作と、ストックや全体デザインの追い込みでしょうか。
少なくとも射撃ができるようになるまでにはあと一週間程度かかる見込みです。

それでは今日はこのへんで。