2013年3月19日火曜日

エグゾーストキャノンMk.11.1初回起動実験

こんばんは、yasuです。
やたらと調子に乗ったタイトルですが、前回の記事の後、しっかり空圧関連部品を完成させ、すべてを組み付けての動作試験を行なってきたので報告させてもらおうと思います。

細かい部品の説明等はまた後の記事にしっかり書くつもりなので、今回は動画のみの公開とさせてもらいます。

とりあえず動画です。


タイトルでMk.11.1とありますが、去年の5月に一度動作試験はしているのですが、その後内部部品をほぼ全て入れ替えたのでMk.11.1としてみました。

今回の実験は初回なので、圧力は最大0.2MPaで行いました。
従来のキャノンと比較して、低い気圧でも高い威力を実現できています。
すべての動的シールにOリングを採用し、シリンダーとの摩擦を極力減らしたことと、そもそもの機構が従来のものとは異なる高性能なものを採用しているなど、様々な改良点がその要因だと思われます。

ただこの実験で、ピストンのシリンダ尾栓との衝突が想像以上に激しく、圧力を高くして数百ショットを越えて行くと破損につながる可能性があるということがわかりました。

従来のピストンを停止させるストッパーはこの部品でした。
三つ葉マークの形をした鉄製の部品が中央に取り付けられています。
これが尾栓と衝突することで高速で後退してきたピストンを受け止めます。
0.2MPaで50回ほどショットを行った後の尾栓の様子です。
このようにストッパーとの衝突で傷がついているのがわかります。
なので改良として、より信頼性のある部品を使い、かつ衝撃を吸収するゴム板を組み込むことにしました。
 ストッパーには大学のゴミ捨て場に廃棄されていた謎の金属部品をそのまま流用することにしました。実はこの部品を軽量化のために切断したものが最初についていたストッパーなのですが、結局切断前の状態で使うことにしました。
 加えて、衝撃吸収用のゴム板です。外形はサークルカッターで切断すれば良いのですが、内径は系が小さくなるとそうも行きません。この時は写真のように半円状の彫刻刀を利用すると綺麗に穴あけができるのでオススメです。

上2つのパーツとネジやスプリングワッシャでメインピストンに取り付けました。

横から見るとこのようになっています。これなら高圧条件の数百ショットにも耐えてくれるでしょう。
ゴム板は交換式になるかもしれませんが…

では次回は今度こそMk.11の概要を説明しようと思います。
それでは今日はこのへんで…

2013年3月14日木曜日

バランスバルブの制作

こんばんはyasuです。

今回はMk.11のトリガー部分に当たるバランスバルブの制作を行いました。

キャノンに用いるバルブの要件

Mk.11の動作機構は、従来のそれがエアカプラのリリースで行なっていたのに対し、別途バルブが必要になります。
そのバルブに求められる要件は、
流量が大きい
バルブ開放までに要する時間が短い(dv/dtとはまた違う)
この2つです。

この流量に関しては、例えばボールバルブやバタフライバルブなどが有利です。
例としてボールバルブ

しかし一方でこれらの開放までに要する時間は長く、かつ抵抗が大きいです。海外の自作エアキャノン動画ではこれらの弁を使っている人もいますが、できるだけ早くコックをひねることに執着していて正直見てて残念な気持ちになります…

さて次に開放速度が大きいバルブとしては、市販のエアーガン等があります。
ア理工の登場で一躍有名となったこの形状のエアーガン(ちなみにここで買えます。)

しかしこれらは流量が非常に少ないので、押し込んだ後、メインピストン稼働までにラグが生じてしまいます。


以前紹介したこの動画では、上の写真のエアーガンを利用していますが、押し込んだ後、若干の排気音の後、メインピストンが稼働しているのがわかります。
これでは瞬発力が足りず、要はかっこ悪いので、更に高速大流量なバルブを用意する必要があります。

電磁弁もこの要件を満たしてはいますが、電気の力を使ってしまっては意味がありません。
それだったら初めからキャノンの機構なんて使わずに、電磁弁でタンクのエアーを開放してやればいいのですから…
機械的な動作のみでそれらを実現するのがロマンなのです。

今回採用するバランスバルブについて

前置きが長くなってしまいましたが、今回採用するのはバランスバルブと呼ばれるバルブです。無圧バルブとも呼ばれているようです。また海外ではQDV(quick dump valve)とも呼ばれており、こちらで検索したほうが情報は多く集まります。
開放が高速で大流量、かつ開放に抵抗がほぼ無いという素晴らしい利点を備えています。
それゆえエアガン界隈では違法カスタムの手段として有名らしいです( 詳しいことはしらない)
YoutubeでQDVと調べると自作エアガンの動画が大量に出てきます。

さてこの動作原理は以下のようになっています。
まず内部はこのようになっています。
シリンダーの中にOリングを使ったピストンが2つ収められており、そのピストンの間から高圧側へつながるラインが伸びています。

高圧のエアが流入してきた時の様子です。
2つのピストンの直径は同一であるため、圧力が釣り合いピストンは動くこと無くシールします。この辺りがバランスバルブとよばれる所以です。

このピストンを右へ押し込むと上のイラストのように右端が開放され、高圧のエアが一気に大気中へ開放されます。以上が動作原理です。

たとえばエアダスター等の弁だと、高圧にしたり、流路の断面積を大きくすると、弁に掛かる圧力が大きくなってしまい、指の力では押し込めなくなってしまうため、ある一定以上、流量を大きくすることができません。
例としてあのエアダスターの内部構造を示します。
このエアダスターの内部機構を図示したのはこのblogだけなんじゃないかと思います…
このような感じで内部に弁が入ってます。
何処かにスプリングが入っているはずですが、描き忘れました…
イラストから分かる通り、内圧と弁の断面積に応じた圧力が弁にかかっています。
(中学生で習うF=PAですね)
この点でバランスバルブは、どんなに圧力を高く、ピストン直径を大きくしても、弁の動作に必要な力はほぼ皆無で変化しないのが利点なのです。

設計

今回作成するバランスバルブの設計図のようなものです。相変わらずIllustratorで設計しています。
製図法にまったく準拠していないのでご了承ください…個人レベルのDIYなのでわかればいいです。
内部にスプリングを納めてあるので、銃のトリガー部分として作用します。

制作

φ20の真鍮パイプを切断します。パイプといっても厚みが3mmある頑丈なパイプです。

切断したパイプに割り出し機とハイトゲージを用いてケガキをしておきます。
工作室があるとこのへんの高価で高精度な工具が使えるのがありがたいところです。
 ボール盤で1/8の管用ネジの下穴を開けます。
スコヤを当てながらタップ立てをします。
管用ネジの場合、タップの直径が大きいため、スコヤを使わないと直角を出すことは非常に難しいというか、そもそも目分量でやること自体が失敗な気がします…

 図面に沿って弓のこで切断です。切断した後ヤスリで目的の形状へ持っていきます。
これでシリンダーは完成です。
 丸棒からピストンを削り出します。突切りバイトでOリングをはめる溝をつくります。
これを2つと、シリンダーの両端を塞ぐ部品も同時に作っておきます。
 センタポンチを打ちます。ばね式のオートポンチを使っているのですが、これは必携です…捗りますよ!

完成

そんなこんなで完成です。

 ピストンを押し込むと、このように片方のピストンがシリンダーから飛び出し、エアーが開放されます。手を離すと組み込んだバネにより元の位置に戻ります。

部品構成はこんな感じです。

また今回流量増大のため、1/8ニップルの内径を拡張しました。(左のもの)
写真の右は以前作成したバランスバルブに使っていたニップルで未加工のものです。
バルブの流路の中でこの部分が最も断面積が小さいので、ここの拡張は性能向上に効いてきそうです。


さて、これでMk.11における空圧関係の部品はすべて完成したことになります。
後日、これらを組んでみて、最小構成での動作試験を行なってみたいと思います。
それと合わせてMk.11の動作原理も説明するつもりなので乞うご期待です。

その後は一番設計で詰まっているトリガーやグリップ周りですかね…
旋盤や割り出し機等で作れる部品はいいのですが、銃のトリガーやグリップのような、非対称で、人の手の形を考慮したり、そういう部品を考えるのはむずかしいです…

では今日はこのへんで!



2013年3月10日日曜日

ピストン接続部品

こんにちは、yasuです。

先日はエアチャンバー内で駆動するメインピストンと、セミオートの動作を作り出す後部シリンダ内で駆動するピストンを接続する部品を作成しました。

適当に設計とは名ばかりの、Illustrator上での構想です。

冒頭ではピストン同士を接続する部品と述べましたが、上のイラストで分かる通り、この部品自体も非常に重要なピストンです。
今回のMk.11ではすべてのエアのシールはOリングを用いて行なっており、そのうち静的シールが3箇所、動的シールが6箇所と今まで制作してきたものの中で最も多いです。
詳しくはまた後ほど、このMk.11の動作原理を説明する記事の中で説明しようと思っております。

さて、では加工へ移っていきます。
ある程度の強度が求められるのでPOMではなく真鍮を使います。
旋盤を用いて加工していきます。

 切断ラインに突切りをしておきました。
 これで弓のこで切断しやすくなります。
 切り落としたら予めネジを切っておいたところに全ねじを取り付け、再び旋盤にチャックして端面だしを行います。
 ペアとなる部品が完成しました。凹凸をつけたので中心軸でピッタリ固定できます。
 こんな感じです。次はこれらを固定するボルトを通すための加工を行います

M3のねじ切りの最中です。これを2つのペアにほどこして完成です。

すべての部品が完成しました。真鍮はいい輝きを放ちますね。

 実際にメインピストンに組み上げるとこうなります。Oリングを取り付けてピストンとして作用します。
しかしまだエアをかけての試験をおこなっていないので、まだなんとも言えませんが…
 もうひとつの部品を後部シリンダピストンに取り付けた様子です。
 これら2つをM3のキャップボルトで固定します。かっこ良く決まりましたが、金色が眩すぎるため、バーナーで焼いて黒く参加させたほうが味が出てよくなるかもしれません。

短い全ねじにMk.11のメインピストンの部品、そして後部ピストンの部品をすべて組み付けるとこのようになります。
先頭から、銃口をシールするピストン、キャノンのバルブを動かすメインピストン、そして今回制作した、Mk.11特有のピストン(動作に関してはまた別の記事で)、セミオートを実現するためのピストン2つといった構成になっています。

後部2つのピストンの精度が今ひとつなので、これらを新たに作りなおせば、キャノン内部に収まるピストン類はすべて完成となります。

残る作業はトリガーとなるバランスバルブの制作と、ストックや全体デザインの追い込みでしょうか。
少なくとも射撃ができるようになるまでにはあと一週間程度かかる見込みです。

それでは今日はこのへんで。

2013年3月2日土曜日

エグゾーストキャノンMk.11 ピストンヘッド等の制作

こんにちは、yasuです。
今回は現在作成中の新型ピストンについて書いていきます。

この装置の制作を経験したことのある方ならお分かりでしょうが、従来のピストンは、初期はまな板を円形に切り出したもの、あるいはフロアポンプのピストンを流用したもの、そして比較的新しいものとして、円形のゴム板を挟んだもの等がありました。
これがまな板のみのそれですね。Mk.3のピストンの写真です。
ボール盤に固定してヤスリで削りまくった思い出があります。
そしてコチラはMk.7のピストンです。ワッシャとゴム版とサークルカッターさえあれば作れるので、制作がお手軽になり、シリンダーとの密着をナットの締め具合で調整できるというメリットがあります。最近の主流はこれでした。

さて、従来のキャノンであればこれらのピストンでもなんら問題はなかったのですが、今回製作しているMk.11は、セミオートの機構を搭載しているのが最大の進化点であり、従来の物に加えて、連射性能を高める必要があります。
それを向上させるにはまずピストンの見直しが不可欠です。
このためにピストンに必要な要素は、ピストンとシリンダー間の摩擦の低減、そしてピストンを介したエアーの流れの増量、この2つです。

この二点に関しては正直従来の物はひどかったと言わざるを得ません。
なので今回はこれらを解決するにあたって、電動エアガンのピストンヘッドを参考に設計をしました。
電動エアガン界隈では「ハイサイクルカスタム」と呼ばれる、連射速度を高めるカスタムがあり、そこで用いられるピストンの形状は今回必要とされる要素をちょうど満たしているのです。
エアガン用のそれはこんなヤツです。
まずピストンそれ自体はエンプラの一種であるPOMで作られており、その自己潤滑性により、金属との摩擦はごくわずかに抑えられています。シールにはOリングが用いられおり、写真から分かる通り、ピストン表面に穴が複数開けられています。これがこのピストンの最大の特徴です。

このピストンの断面図と動作原理を解説してみます。
右側の円盤に開いている穴が、写真のピストンヘッドに開いている穴と対応しています。

このシリンダに右側から高圧のエアーを供給してみます。
するとこのようにOリングが圧力により変形してシリンダ内面に密着し、エアーはもれずピストンとして作用することがわかります。
この点において、従来のピストンは意図的にここをエアーがわずかに通れるように設計していたので若干の損失があったものと思われます。

つぎに左側から高圧のエアーを供給した時がこちらです。
このように穴が開いている事により、エアーはOリングに圧力をかけることなく、向こう側へ流れていきます。このためこの向きにはピストンとして作用すること無く、エアーを効率的に右側へ供給することができます。
この動作は、キャノンのエアチャンバーへピストンを乗り越えてエアーを供給する動作に相当します。

と、書き連ねてみましたが、わかる方にはわかると思いますが、これは全くもって「逆止め弁」の原理です。別にエアガンのそれに特有の機構とか言う訳でもありません。

では、製作工程です。

モノタロウで購入したPOM丸棒を旋盤で加工していきます。
所詮樹脂なので、突切りも怖くありません。さくさく加工出来ます。

中心にM6のボルトを通すための穴を開け、ねじ切りをしておきます。

割り出し機を使って穴を開ける位置を決めます。今回は八ヶ所開けました。
適当でもいいのですが、せっかく使えるので…

穴を開けます。さくさくです。

パーツが完成しました。

組み上げてみるとまさしくエアガンのそれをそのまま大きくしたような見た目です。

また今回のピストンは実は二代目であり、最初の試作ピストンがあるのですが、それはなぜか耐衝撃性に難のあるベークライトで試作したものでした。
それを最初の動作試験時に使っていたのですが、案の定割れてしまいました。
なので今回は万全をきすために、ピストンのストッパーのようなものを取り付けます。
取り付けるとこのようになります。パーツ自体はちょうど大学のリサイクルセンターに良い形状の部品があったため、それをちょっと加工した形になっています。


更に今回、銃口部をシールするピストンも新たに作り直しました。
以前のものはこれです。
しかし、三点保持のためのパーツが不調で、シリンダに対し、ピストンのセンターがずれたまま射撃を行なってしまったため、ピストンが壊れてしまいました。
なので新たにPOMでつくりなおしました。
三点保持パーツもPOMで作りなおしました。ここでの摩擦の少なさは素晴らしく、前回のものよりもだいぶ損失が減っていると思われます。

先ほどのピストンヘッドと、シール部のピストンを組み合わせたのがこれです。
今までのピストンよりもはるかに高性能で、かつ壊れにくいように仕上がっています。
実射実験が楽しみですが、現状まだそれができるためのパーツが揃っていないため、まだまだ先の事になりそうです…

それでは今回はこのへんで。